ブラジル遠征の巻 その4 (00/03/07-)


タスク4 (3月7日)

12:30 ゲートオープン

<タスク> テイクオフ→スタートパイロン(テイクオフより4km南)→GV29(スタートより南東へ約15km)→ゴール(GV29より南西へ37km)
タスク距離:約58km
天候:良好!風は南西弱い。

 Pan America Cupは、参加人数に対してのスタッフの数が少ない。特に、テイクオフスタッフは少ない。我々のチームは、まずは女性の選手を出してからみんなで協力してテイクオフしていくようにしている。この日もいつもの様にチームの選手とその他の選手の手伝いをしました。テイクオフのゲートが開いてわずか30分ぐらいで130名程テイクオフしました。コンディションが良いとみんなストレスなくテイクオフできるのはどの国でもどんな人間でも一緒ですね。昨日はゲートに並ぶ順番で「おまえら日本人だろ?オープン参加で関係ないから後ろに並べ!」なんていう選手もいたり、修羅場と化していました。くわばらくわばら。

 まず、飛んだらいつものように上昇気流を捕まえてスタートポイントまで行きます。今日のスタートは、13:00から15分おき、14:00までのスタートです。

スタートの仕方が前回の説明で不足だったと思うので補足します。
例えば>午後1時にスタートした選手と午後1時15分にスタートした選手がいるとします。1時にスタートした選手が4時にゴールして、後を追うかたちで1時15分の選手が前の選手から2分遅れて入ったら、後者の方がエアータイムは速いですよね。そのうえ、先行している選手は後続のパイロットから見ればいいダミーですよ。「上昇気流はここにありますよー。」と、教えているようなもので、、、その逆もありますが。

 あ、余談ですが南半球の太陽はどっちから昇るか知っていますか?日の出は、東からですが太陽は南中じゃないのですよ。北に傾いているのです。なんか感覚がくるいますよ。日本だったら南向きの斜面に上昇気流が発生するのが常識で、こっちは当然、逆。なれるまで時間がかかりました。

川地フライト

さてさて、Pan America Cup 3本目のタスク。

 わたしには、3本目のジンクスがあってどうも3本目は意識してないのにだめなんだな。この日もやっぱり、、、なんでなんや〜!目の前でサーマルが消えてゆき俺だけランディング。

おれは、だめだった。
けれども、川地選手がダントツで一位。
58kmのタスクを2時間10分のハイペースで廻った。
あと、扇澤さん、宮田さんもゴール。
ゴール者5名。

日本チームのレベルは高いぞ!

<正一郎の一人言>

 上昇気流を捕まえるのに‘センターリング’というテクニック(ただ回すだけだけど)があって、必ずしもみんなでってわけじゃないけれど、競技中は多いときで40機ぐらいが一つの上昇気流の中でセンターリングをします。

 時々センターリング中にぶつかりそうになる場合があって大きな声で自分はここにいるから!みたいな気持ちをこめて叫びます。叫ぶのは普通ですが、話しかけられたら気になって集中できなくなる事があります。

 例えば、「何時にスタートしたー?」たったこれだけの文章でも、常に時速40kmの風が前から吹いているので(バイクで40kmで走りながらしゃべるようなもの)何を言っているかを判断するのは難しいよ。

気になっているようじゃ、おれもまだまだだな。

タスク5 (3月8日)

 前日大きなミスをしたが、総合順位はなんとか15位。あと3本無難に手堅く確実性を持ってレースを進めれば確実に10位以内に入れるだろう。1本集中。慎重に、、、

クラウドクラウドストリート

 今日のタスクは、いつものように風下へ行って来い!のタスクではなく15km先のスタートパイロンから山へリターンして、山から5km程離れた所にある最終パイロンを廻ってゴールへ行くものだった。

 毎回、スタートパイロンまでは順調に進める。スタートは、ばっちり!さあ、行くぞ!というところで行き過ぎると降りてしまう。冷静になっているつもりでもまだまだ修行が足りない。きょうのは、むっちゃ低い所から上げなおした。そんな時、「心の中で「がんばれ!」と、思うと良い。」と、辻選手が言ってた事がある。

「低くなったのは俺の判断ミスだ。我が翼よ、がんばってくれ!」

手に汗握る思いで徐々に高度を稼いで15分程ロスしてレースに復帰できた。

「ありがとう、翼よ!」(この気持ちが大切)

 困った時に神様にお願いするのではなく、助けてもらってから神様に感謝するのが良い事じゃないだろうか?

 頑張ったからには、低くならない様に慎重にゴールへ飛んで行くべきだ。途中で、川地選手や宮田選手と一緒に飛びながら帰路についた。最後のパイロンを取りに行く高さが足りない。テイクオフ付近で雲底1600m。ゴールまで総合距離12km。

 大きな下降気流がなければ行けそうだ。でもリスクがある。頭上の雲は段々衰えてきている。いっしょに飛んでいた機体が行った!思わず俺も行った、、、予想では、最終パイロンまで<距離:7km、ロスする高度800m>で計算してたが甘かった。

 テイクオフで捕まえた上昇気流はいつのまにか巨大な積雲になっていて、周りの空気をたくさん吸いこんでいたのだ!すなわち、最終パイロンへ行くのに向かい風でおまけに下降気流。あきらかに時期尚早、もしくは時既に遅し。

 行く所まで行ってみよう。最終パイロンの上空700mで通過すればゴールまで行ける。しかし、実際は500mで通過。ゴールまで2km足らずに降りた。

 この日のゴール者は4人。

 日本チームは、あと2kmのところまでしか行けませんでした。
 愚痴をこぼすわけじゃないけど、いや、愚痴らせてください。
「最初にゴールしたやつー!雲中飛行したやろー!俺も雲中飛行したらゴールできたわい!いんちきじゃー!」
失礼しました。

<歯痛のつじさん>

 昨日から、辻強選手が歯が痛いと言ってました。「正露丸でも詰めておけ!」と、言っておちゃらけていたのですが帰ってきた辻さんの下あごを見てビックリ!肥った人みたいに、あごと首の境目がわからなくなるぐらいに腫れていました。原因は、奥歯の虫歯が神経系からリンパ腺をばい菌攻撃で刺激しているからだそうです。

 本人は、「もう大会なんかいい、、、」
 見てて可愛そうな状態になってます。虫歯は怖いのですね。本当の原因は、コーラじゃないかと思ってます。辻さんは、大のコーラ好きで毎日1Lぐらい呑んでいるのではないでしょうか?ともかく、帰ったら歯医者さんに行こう。(おれが)


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